『気にしないで。明日さ、少し時間取れないかな?』
「明日?」
別に予定ないなあ…。でもジュリと二人はちょっとなあ。
そう思い、口を開こうとしたらジュリによって遮られてしまった。
『明日はナイトと一緒かな?少しだけ二人きりでお茶するだけでもいいんだ』
「ん~…ちょっと予定が……」
ハッキリと言わないと、ジュリは引かないだろう。
でも、何だか傷付けているみたいで、曖昧に濁してしまう。
『お願い!!ちょっとだけでいいから!!』
「えぇ~…ちょ、ジュリあの…」
この強引さ苦手だなあ…。本当にどうしよ。
『明日また連絡するから!!約束だよ。じゃあね♪』
「え!?ちょっと待ってよ!!」
慌てて両手で携帯を握り直し、ジュリを呼び止めた。
聞こえてくるのは、通話の終了を表す終始音だけが虚しく耳に届いた。
「あぁ~…まじで…」
思わず頭を抱え、テーブルにおでこをくっつけ項垂れる。
逃げ道がない。
「何?デート?」
宗太が興味深々と言った感じに問いかけてくるが、それ所じゃない。