「…どうもしてないって」
口が裂けてもるぅが好きなんて言えない。
美春にすら打ち明けてないのに、自分から白状するつもりなんてない。
「ぜってえ何かおかしい!!」
「もう分かったってば」
このしつこさ何とかして!!くどいよ!!
「お~来てたか~。ただいま」
扉が開くと、宗太が顔を出した。家主の登場に、ホッと思わず息をついた。
「お帰り~」
声を掛けると、宗太は「龍雅の声丸聞こえ」と足を動かした。
そして、その後に続く人物に、息が止まりそうだった。
「おっ、るぅ来たか~」
「お前が呼んだんだろ」
ダルそうにしながら部屋へ入ってくる瑠衣斗を見ていられなくて、目線を泳がせた。
昨日の出来事が、胸につっかえてモヤモヤする。