「天…使?」


この人、頭大丈夫…だろうか?

「僕の名前はジュリって言うんだ。僕から名乗るのが礼儀だよね」


そう言ってニッコリ笑う顔は、天使のようだ。

まさか、あなたが天使ですよ。なんて言えないけど。


「いつも一緒に居る彼は?今日一緒じゃないんだね」


「彼…?あ、ああ!!」


瑠衣斗の事だろう。そう言えば、来てないなあ。


思わず見渡してみるが、それらしき人物は見当たらない。


「君の彼氏かい?」


「あ、ち、違います!!」


ずいっと顔を近付けられ、迫力の美形フェイスにたじたじだ。


て言うか、こうやって男性に話し掛けられる事が瑠衣斗以来な気がする。



「いつ声を描けようか…ずっと伺ってたんだ」



「…はい?」



ナニ言ってんですか?