「俊…ちゃん?」


思わずそう美春に聞くと、苦笑いしながら美春が頷いた。


「何か…音割れするくらい声大きくて………さっぱり」


…なにこの呆れ返った雰囲気。

さっきまでの感動した気持ちは?


「折り返しくる…んじゃない?」


自信ないけど。てゆーか、美春の話はちゃんと聞こえたよね?

「まあ…いいよ。明日会ってちゃんと話する」


ふっと笑ってみせる美春は、とってもスッキリしたようで、何だか強くなった気がした。


「うん、何かあったらすぐ会いに行くよ」


美春はニッコリと笑うと、思い出したように鞄から財布を取り出した。



なんだなんだ?


と不思議に見ていると、目の前に差し出された物を無意識に受け取った。