「…ももぉ?」
私の胸に顔を埋めたまま、美春はゆっくりと口を開いた。
「なぁに?」
綺麗に片付けられている部屋は、美春らしいピンクと白と赤で統一された、女の子っぽい部屋だ。
コルクボードには、高校生の頃の懐かしい写真から、小中学生の頃のまで貼ってある。
美春の優しい甘い香りが、部屋中漂っていた。
「あんね、私ね…わたっ…うぅっ」
「ゆっくりでいいから。いっぱい泣きな」
サラサラの柔らかい髪を撫でながら、美春の涙でべちょべちょになっていく自分の服を考えると、何だか優しい気持ちになる。
美春は辛い時、必ず私を頼ってくれる。
美春のために何かできる事が、すごく嬉しい。
「わたし…わたし…」
「うんうん、どうしたの?」
根気強く美春の話を待ちながら、美春と何があったんだ!!と俊ちゃんを考えた。
当然、俊ちゃんの話だろうと思っていた私は、美春の言葉にフリーズした。
「赤ちゃん…いた……」