何だかんだで半分程食べた所で、満腹になってきた。
ペースダウンした私をチラリと見ると、瑠衣斗が手を伸ばして私からパスタを奪った。
「もう一杯なのか?そんなんじゃ成長しねえよなあ」
「もう成長期終わってるもん!!るぅなんかこれからメタボになるだけだよ」
「ぷりぷり怒るなよ」
「ぷ、ぷりぷり!?」
肩を揺らして笑う瑠衣斗を、私は見つめるしかできなかった。
全て食べきってしまった瑠衣斗は、満足そうにふぅと息をついた。
本当にびっくりする食欲だ。
「お待たせしました」
食器を片付けながら、アイスコーヒーを運んできた店員が、ぷりんをテーブルに一つ置いて一礼し、伝票を置くと去って行った。
「…ぷりん?」
頼んでたっけ??
「女はデザートって別腹なんだろ?」
肘を立てて顔を乗せ、タバコに火を付けた瑠衣斗がニッコリと笑う。
「うん。別腹」
「少し分けろよ」
「無理」
二人でスプーンを取り合いながらぷりんを食べた。
端から見れば、とっても変な光景だったに違いない。
二人で一服すると、席を立ってお会計をする。
お金を出そうとする私を、瑠衣斗は邪魔して絶対に出させてくれなかった。
「今日は俺に付き合ってもらってるから」
と言う理由らしい。
並んでお店を出ると、当たり前のように鞄を奪われ、手を繋がれた。
嬉しいのに、瑠衣斗が分からない。