パスタはプリプリで、乾麺ではなくて生麺のようだ。


「もいしい!!」


そう言った私を、満足そうに瑠衣斗はニコニコと見ている。


お皿のピザは、いつの間にかなくなっていた。


本当に、どんな胃袋をしているんだろう。



瑠衣斗も自分のパスタを口に運び、もくもくと食べていた。


長い指先でフォークとスプーンを操る姿まで、見とれてしまう程格好いい。


今日は、細身の黒のパンツに、袖の長い胸元が広く開いた、部分部分に革のような素材で縫い合わされているチェックのシャツを引っ掛けている。


スタイルの良さがよく分かる服装に、整った顔は、人目を引く。


私はと言うと、白のロングニットのカーディガンを羽織り、ザックリと肩を出すロングTシャツに、チェックのショーパンにスニーカーブーツを合わせていた。



「そっち一口くれ」


そう言って身を乗り出すと、あ~んと口を開けて待っている。

「えっ…あ、ああ」


慌ててパスタをフォークへ絡めると、瑠衣斗の口に入れてあげた。


「…うん。ブルーチーズうめえな」


満足そうに口を動かす瑠衣斗が、何だか可愛く思えた。


「子供みたい」


「…うっせえ」