一口深く吸うと、ふぅっと煙を吐き出し、私に向き直った。
「んで?なに食う?」
メニューを開いてみると、名前がどれも美味しそうだ。
「ん~…コレ」
「はえーな」
そう言って笑うと、瑠衣斗は長い腕を挙げ、すいませ~んと店員を呼んだ。
「お決まりでしょうか」
「ん~と、ルッコラと生ハムのシーザーサラダと、ゴルゴンゾーラとトマトソースのパスタと、スモークサーモンとモッツァレラのピザね。あと俺は~…ペスカトーレ。以上」
「はい、では確認致します」
そんなやり取りを見ながら、鞄からタバコを取り出すと、瑠衣斗のジッポを借りて火をつけた。
「以上でよろしいでしょうか?」
「うん。あ、あとコレ」
まだ何か食べるの?と思い瑠衣斗を見ると、メニューを持ち上げて指を差していて、何か分からない。
「食後にアイス2つで」
「かしこまりました」
そのまま一礼し、メニューを下げて去って行く店員を見送りながら、タバコに口をつけた。
何だ。飲み物か。
良く食べるけど、さすがの瑠衣斗もいきなりめちゃくちゃ食べないよね。