「いらっしゃいませー!!二名様ですか?」


「二人で」


元気良く、若い清潔そうな、髪を団子にした女性店員に迎えられ、それに瑠衣斗が答える。


「喫煙席と禁煙席とございますが?」


「喫煙席で」


淡々と答える瑠衣斗は、やっぱり何だか女の子に対して冷静だ。


少し冷たいと言うか…全く興味ナシって感じだ。


高校の頃から変わらないんだよね。


「こちらへどうぞ」


ニコニコと笑顔で接客してくれる店員に、手を繋いだまま後に従う。


途中、当たり前のように何人かの女の子に振り返られるが、これもいつもの事。


地下街からもそうだったが、瑠衣斗の視界に彼女達は入っていないようだった。



私は、瑠衣斗にちゃんと見られてるのかな。


少なくとも、友達としてなら認識されているだろう。


そう思いながら、案内された窓際の席へと着いた。