あと少しで終わると言う所で、部屋から瑠衣斗が顔を出した。
「もも!!電話!!」
「電話~?誰?」
「…分からん!!」
左手首の腕時計を見ると、間もなく10時になる所だった。
「行ってきなよ」
「ごめんね!!」
美春に断って部屋に入ると、確かに電話の着信音だった。しつこく鳴り続ける電話に、何故か胸騒ぎを覚えた。
こんな時間に誰だろう。
床に座っている瑠衣斗から受け取り、携帯を開けると知らない番号だった。
「見たことねえ番号?」
いつまでも電話に出ない私を不信に思った瑠衣斗は、心配そうに私を見上げた。
「う~ん」
「とりあえず出てみろよ」
そう言われて頷くと、通話ボタンを押して耳に押し当てた。
この瞬間、胸騒ぎは嫌な予感へと姿を変えていた。
何だか胸がモヤモヤする。