「忘れ物ねえな?戸締りも」


「うん。おけい」


化粧を済ませると、急いで着替えに部屋へ向かい、簡単に髪をまとめて瑠衣斗の元へ戻った。

着替えたいと言う瑠衣斗に従い、一度瑠衣斗の家に向かう所だった。


エンジンをかけ、ガレージを出て住宅街を走っていた。

エアコンと車内は、瑠衣斗の好きなマリン系の香りがする。


「すぐ戻るけど車で待てるか?」


「子供扱いしないでよ」


順調に瑠衣斗の車は進み、マンションへ到着した。


駐車場に停めると、瑠衣斗はシートベルトを外しながら私に顔を向ける。


「んじゃ、待っててな」


「うん」


私の返事を聞くと、車を降り、駆け足でマンションへと入っていく瑠衣斗の後ろ姿を見送った。