お出掛けするなら、しっかりメイクしておこうかな~。


そう思い、下地とファンデーションを丁寧に塗り込み、念入りにビューラーを使い睫毛をカールさせ、アイシャドウとライン、マスカラもしっかりと乗せた。


後は眉毛だけだ!!

眉毛がない訳ではないが、気合いを入れて描かないと、全てのバランスが崩れてしまう。


集中していると、瑠衣斗が立ち上がってどこかに向かったようだった。


気にせず眉を描いていると、コトンと机に何か置いたので、中断してそれを見た。


「あ、ゴメン忘れてた」


「酸化した珈琲だけはゴメンだからなあ」


そう言ってマグに口を付けた瑠衣斗を見上げてから、私も一息ついてマグに口を付けた。


ふう。あと一息だ。


マグをテーブルに置き直し、また眉に集中した。


大人しく長い足を組んで新聞を読む瑠衣斗は、たまにカフェオレに口を付けながら新聞に見入っていた。