…かわいかった?


「おりゃ」


「ちょーっとお!!!!」


一瞬、油断した隙に、瑠衣斗は私の肩に乗せた手に力を入れ、クルンと私を仰向けにさせた。

両手が塞がっていたし、手を跳ね返す事もできなかった。


「さいあく…」


見上げた瑠衣斗にそうポツリと言うが、強く言う事ができない。


熱があるんじゃないか。と言うくらい、顔が熱い。


整った瑠衣斗の顔に見つめられると、ギアを変えたように心臓が暴れだすんだ。


今日はウニ頭じゃなく、サラサラと流れる明るい髪が、日の光によって金色に染まってる。


「付けてやろうか?ホック」


勝ち誇ったように口元を吊り上げて笑う瑠衣斗は、綺麗な鎖骨が浮かび上がり、程好く筋肉が付いている滑らかな胸は、思わず触れたくなってしまう。


筋の浮かぶ太い腕に、私は昨日軽々と持ち上げてられたんだ。


負けた気がするけれど、今手を離してしまったらとっても危険だ。


仕方なく、私は頷くしかなかった。