「…んな目で見んなよ」


「へっ!?」


ど、どんな目!?


訳も分からずおどおどしていると、瑠衣斗が動き出したので身を固めた。


「え?え?」


ゆっくりと優しくベッドに下ろされ、手の甲にふわりとシーツの感触を感じ取った。


見上げた瑠衣斗は、屈んだまま私を見つめているが、何故か真剣な眼差しに、それ以上何も言えなくなった。


「な…に」


やっとの事で言葉を発したが、心臓がドキドキと高鳴るばかりで、頭が回らない。


ぐっとベッドが沈み、体が傾いたと思ったら、瑠衣斗は私を跨ぐようにして両手を私の顔の横についた。


「………」


もう、口を開ける事もできない。


真剣な顔をした瑠衣斗は、いつも見せるような表情は全くない。


目の前には、見た事もない瑠衣斗の顔があるだけだ。


目が暗闇に慣れてきて、吸い込まれそうな程綺麗な瞳に、自分の顔が映り込んでいた。