「…………」


何が起きたのか分からず、ただ呆然とした。


私は、瑠衣斗に軽々と横倒しされてしまっていた。


瑠衣斗の力に驚きながら、一瞬の出来事に頭の思考回路がついてきてない。


腕の力は弱まらず、後ろからは瑠衣斗が抱き締めたままだった。


ソファーが広くて良かった…。

きっと、普通の広さなら、床に落ちていたかもしれない。


なんて呑気に考えたが、状況はそのままだ。


お腹に回った腕は、離れそうにもない。


「ね…るぅ?」

「…う~ん」


ここで寝られたらきっと朝までコースに違いない。


「ねぇ、ベッド行こ?風邪ひくよ」


寝ぼけているだろう瑠衣斗に、半ば諦め半分で声を掛けた。


「…誘ってんのか」


「さそっ!?ち、ちが……んまあ…ここよりはベッドの方が…」

うっかりまた寝ぼけた返事しか返ってこないだろうと思っていたら、ハッキリ返ってきた返事にすこし驚いた。


「分かった」