「ねみい。ももがあったけえからだ」
…はい?
お腹がいっぱいになって眠いって…まるで子供じゃん。
「ちょ、るぅ?」
声を掛けた瞬間、後ろ抱きされる形になり、言葉を止めるしかなかった。
ここ最近…と言うか、昨日から瑠衣斗が変な気が…。
やたらと抱き締めてくるし、何と言うか…甘い。
ぐっと腕に力が入り、肩を抱きすくめられる。
「るぅ…苦しいよ」
腕を抑えようと、自分の足を抱えていた手を伸ばし、瑠衣斗の腕に触れた。
「ん~甘い匂い…」
あ、甘い匂い??
瑠衣斗は首筋に顔を埋めたまま、力を緩めてくれない。
背中から瑠衣斗の体温が伝わり、ぽかぽかと暖かい事に気が付いた。
本当に眠いのか!!
何とかして抜け出そうともがいた瞬間、視界がぐるんと回った。