瑠衣斗は手を離すと、体の向きを変えて私の方へ向いた。
慌てて瑠衣斗に背を向け、ソファーの上に体操座りする形に座り、足を腕で抱える。
「お願いします」
「はいよ」
そう言って、肩に置かれるであろう手に集中していると、瑠衣斗の長い足に体が挟まれた。
え!!この体制で!?
「ちっちぇ~なあ!!」
考えていた事とは全く違う予想外の状況に、顔が強張る。
「る、るぅがおっきいの」
「ももがちっせえんだよ」
笑いながら、瑠衣斗が私の肩に手を置き、更に全身で緊張してしまう。
心臓…死んじゃうかも。
そう思い、何故こんなに瑠衣斗を意識しだしてしまったんだろう?と思うばかりだ。
瑠衣斗に触れた場所が、熱い。
ぐっと力が入り、軽い痛みに意識を逸らされてしまった。
「ぁ~きもてぃ…」
「凝ってんなあ」
優しくほぐしてくれる力に、肩の力を抜いた。
いつの間にか、ガチガチに体に力が入ってしまっていたようだ。
それと同時に、心までほぐされていくようだった。