「背中おっきいね。手が疲れそう」
両手を肩に付くと、私の手が子供の手のようだ。
見た目はスラリとしているのに、しっかりと筋肉が付いた肩に改めて少し驚いた。
「サボんなよ~」
「はいはい」
そんな言葉を聞いてから、両手に力を込めた。
あ、そこそこ。
もーちょい力入れて。
そんな注文を聞きながら、結構一生懸命に肩を揉んだ。
「もも力ねえな~」
微かに肩を揺らして瑠衣斗が言うので、体重をかけてやった。
「これでも頑張ってますっ」
力んで答えたが、本当に一生懸命やってる。
「いや、上手い上手い」
表情は見えないが、瑠衣斗が笑う気配を感じる。
二の腕や首筋も揉んでみると、私とは全く違う太さに、男の子なんだな~。なんて感心しながらマッサージを続けた。
触れる度に、何だかドキドキとしている自分に、少し戸惑う。