「るぅ、肩もみしてあげようか?」


確かに、今日はずっと運転をしていたし、疲れているのは本当だろう。


「お、いいねえ」

嬉しそうに言う瑠衣斗は、ぱっと周りが明るくなるような無邪気な笑顔で答えた。


そんな笑顔に、何だか心の真ん中に、ポッと暖かい物が灯ったような気がした。



何だろう。何とも言えない暖かな感覚だ。


「でも交代してね」

顔を覗き込んで言うと、眉をハの字にした瑠衣斗が笑って言った。


「へいへい」

そう言ってソファーに足を投げ出して、両手をついて私に広い背中を向けた。


何だかくすぐったくて、そんな瑠衣斗の姿に笑みがこぼれる。

立ち膝になって瑠衣斗の背中に手をつくと、美春や女の子とは違う大きな広い背中に、男らしさを感じた。