一口ハンバーグを口に入れると、おろしソースがさっぱりとハンバーグを中和させていて、とても美味しい。
「ん~もいひい」
「だから当然だーって」
さっきまでの雰囲気が嘘のように、何だかとても楽しいご飯だった。
物足りないらしい瑠衣斗に、ハンバーグを奪われたりしながら、明るい食事を済ませた。
「あ~…苦しい…」
げんなりした顔をして、ソファーでお腹を抑える瑠衣斗をほかっておいて、私は食器をまとめてキッチンへと入った。
洗浄機へセットしてしまうと、珈琲の用意をしてソファーに向かった。
「わりぃ~ありがと」
「いいって。作ってもらっちゃったんだから」
ソファーに近付いた私に向かって、瑠衣斗は苦しそうに目を細めて、頭を真上にするようにソファーに頭を預けて、私を見上げた。
照明が全て入り込んでしまったように、色素の薄い瞳が、キラキラ輝いている。
筋の通った鼻筋と、綺麗な額が、長い前髪が後ろへ流れた事により露になった。
顎先から喉仏が見えて、仰け反るように私を見つめる瞳は、何だか色っぽく感じる。
「……ねみい」
ポツリと呟いた瑠衣斗は、私がソファーに座る前にそのまま軽く目を閉じてしまった。
「珈琲淹れてるから寝るなあ~」
私が耳元で声を出すと、パチリと目を開けた。
「お、おお、さんきゅ」
そう言って起き上がると、目を両手でゴシゴシと擦った。
本当に子供みたい…。
そう思うと、何だか可愛く思えてしまい、またそんな自分の考えに思わず笑ってしまった。
「…んだよ」
怪訝な顔をして私を見る瑠衣斗を見ると、何だか余計におかしくなった。
「いや…可愛いなあと思ってね」
素直にそう言うと、瑠衣斗は嫌そうな顔をした。
「まじ嬉しくねえ…」