並んでスーパーへ入ると、私が取った買い物カゴを瑠衣斗が横から取った。
え?と思いそのまま見上げると、
「俺が持つからいい」
と口の端を上げて笑った。
「ありがと」
瑠衣斗のこう言う優しさが、素直に嬉しい。
普段の瑠衣斗は、なかなか女の子に心を開かないので、すごく勿体ないと思う。
初めて声を掛けられた時は、チャラチャラしてそうなイメージだったのに、すごく真っ直ぐな性格で、人は見掛けによらないって思ったんだ。
並んで進むと、青々とした野菜が並ぶ野菜コーナーへやって来た。
白い冷気に冷やされて、見ていても寒くなりそうだった。
「何作る?」
「ん~?るぅ何食べたい?」
野菜を眺めながら、目に止まったブロッコリーを瑠衣斗がぶら下げていたカゴへ入れた。
「ハンバーグがいい」
「だと思った」
それから玉ねぎの小売りされていた物をカゴに入れて、ひき肉を見付けた瑠衣斗がカゴに入れた。
他にもいろいろとカゴに入れながら、瑠衣斗と店内を歩き回って見た。
牛乳や、缶ビールなんかも入っているため、結構な重さなはずなのに、瑠衣斗は軽々と持っていた。
「重くないの?」
ほぼ真上を向きながら、瑠衣斗に問い掛けてみた。
「ん?いや別に?」
サラッと答えてしまう辺り、どうって事ないらしい。
私だったら絶対カートを使ってるだろうな。
そんな事を考えながら、レジを通った。