「う、え…あ…はい」
「はは、本当に可愛いなあ」
そう言う事をサラリと言ってしまう辺り、本当に天然なのか疑ってしまう。
…でも本当に天然だとも思う。
「俺はももの素直な気持ちを受け取るよ。だから、返事は良くても悪くても、ちゃんと受け入れるから」
そう言って目を細めて笑う姿は、瑠衣斗とやっぱり似ている。
「うん…。ちゃんと考えるから」
何だか目を合わせられなくて、やっとの思いで伏し目がちに答えた。
相変わらず心臓が暴れているので、顔も真っ赤に違いない。
慶兄なんかめちゃくちゃ余裕なのに、私ときたら挙動不審すぎて恥ずかしすぎる。
「じっくり考えてくれていいからさ。気は長い方だから」
「うん、ありがとう」
そう答えると、頭をぽんぽんと撫でられた。
「それはこっちのセリフだ。ありがとうな」
「え?…何で?」
ありがとうと言われる意味が分からず、慶兄を見上げた。
慶兄は一瞬キョトンとしたが、またすぐにふっと微笑んだ。
「気持ちを聞いてくれた事…考えてくれる事に対してかな」
「え!?ううん、そんなありがとうって言われる事じゃないよ」
慌てて言い返すが、慶兄はニコニコと笑って頭を撫でてくれた。
「いや、本当にそう思うんだ。好きな相手に気持ちを伝えれる事は、幸せな事だ」