「なあ、もも」


名前を呼ばれて慶兄を見上げると、口元にかすかに笑みを浮かべたまま、ズッコケ四人組を見つめた。


ベンチから少し離れた所には、美春がキャッキャとはしゃいでいる。



「混乱させてたらゴメンな」


「…え」


あの告白の事を言っているに違いない。てゆーかそれしかない。

ばっちりその通りだったため、まともな返事なんてできなかった。



「俺さ、こんなに自分が積極的だとは思わなかった」


「……へ?」


と、言いますか、あの悩殺されそうな甘い笑顔とか、レディーファーストな物腰って…、




天然だったんですか。


だとしたら、きっと周りの女性はいい迷惑ですけども。




「何て言うか…俺勘違いされやすいんだよなあ」




…だからそれは、あなたの天然フェロモンにやられてるんです。


「そう…なんだ」


バカ正直に教えてあげれる程、私は本音なんか言えません。


そんなツワモノが居たら、是非見てみたいモノだ。



「だから…俺が守ってやりたいと思って…、ももが好きだと自覚したとたん、自分の気持ちを言わずにはいられなくなった」