「んで?慶兄はどーすんだ?」
「…ん~…考えるよ」
ニコニコ笑う宗太は、ふわふわの髪の毛がさらに潮風に吹かれ、ふわふわとなびいている。
クリクリの目が、細くなって優しく私を見ていた。
「慶兄の告白には俺もビックリしたけどさ、ももは幸せになんねえとダメだぞ」
「幸せかあ…なれるかな?」
海を見つめたまま溜め息混じりに吐き出すと、宗太にコツンと頭を叩かれた。
「幸せは、相手に幸せにしてもらう事も大切だけど、自分で掴むものだぞ」
見上げると、海を見つめる宗太の横顔が目に入った。
「自分で掴むもの…」
宗太は髪をかき上げて私に向き直ると、口元を持ち上げて微笑んだ。
「ももは、絶対幸せを掴める。もっと自分に自信持てよ」
「…ありがとう」
一度軽く頷くと、宗太は慶兄と瑠衣斗に視線を移した。
釣られて私も見ると、瑠衣斗が背を向け、慶兄の顔が見える。
「家族会議だな」
そう言って笑う宗太は、まだ二人を見ている。
「大丈夫かな?」
何だか心配になり、不安げに宗太に問いかけてみた。
「ま、大丈夫だろう。俺らが口出しする話じゃねえだろうから」
「家族会議だもんね?」
私がそう言うと、何故か宗太は笑いだしてしまった。
「そうそう」
背を向けている瑠衣斗は、表情が見えない。
反対に慶兄は、何故か真剣な様子だった。