「もも~!!おそよ~!!」

勢い良くドアを開けて、美春が部屋に入ってきた。時刻は間もなく午後6時になる所だ。


“種村美春(タネムラミハル)”小学校へ上がった時からの付き合いの、いわゆる幼なじみだ。


私より背は高く、160センチと言った所だろう。サラサラのアッシュのショートが似合う卵形の輪郭に、長い睫毛がくりくりの黒目を囲んでいる。


愛嬌のある綺麗な二重が、とても可愛らしい。常にキラキラ輝いて、宝石のようだ。


ぷっくりとした唇は、赤く健康そうな唇だった。



「おそよ~」


そう言って続けて入ってきたのは、美春のダーリンの“篠山俊(シノヤマシュン)”瑠衣斗ほどでかくはないが、180センチ近い長身で、さっぱりとした短髪の黒髪だ。


鋭角の眉と切れ長の二重瞼は少しキツそうな印象を与えるが、笑うと頬にえくぼのできる笑顔が可愛らしかった。


私とクラスが違った美春がクラスへ遊びに来た時に、瑠衣斗と喋っていた俊ちゃんに一目惚れした。



そして二人は、ビックリする程すぐに恋に落ちた。



早すぎない!?と心配していた私だったが、大学生になっても二人の世界はピンク色だ。


そんな美春に、


「彼氏は好きだけど、ももは愛してる~!!」と言われて、変な汗をかいた覚えがあった。


きっと、男は変わっても、友情は変わらないよ。と言いたかったのだろう。


と思っている。



「るぅ寝ちゃったよ」