「お嬢様はお部屋に行きましたよ。5分後にピアノに向かわれなければならないので。」

「5分!?学校から帰ってきて休憩とかはないんですか?」

「ございません。お嬢様は旦那様と奥様の言ったことだけをやる。つまり自由はないのです。」

「そうなんですか…。そういえば、つい2日前にうちの学校にいた先生が1人いなくなって斎藤はその先生とはよく話していたんです。」

「その先生お名前は?」

「生宮先生です。」

「生宮先生…ですか。ついこの前までお嬢様が笑ったりしたのはその方のお陰なのですかね?」

「どうなんですかね。もういないので。」

「さようでございますか。」