「え?家なんていいよ。俺はただ通りかかっただけなんだし。人を助けるのは当たり前じゃん!」

そう言って鈴木くんはニッと白い歯を見せて笑った。

「違う…笑顔。」

「え?何が?」

「うっううん。なんでもない。」

無意識に先生の笑顔と比べてた。鈴木くんは鈴木くん。先生とは違う人なんだって。

「それよりいいよ。家近いから来て?
さっき男の人のパンチ?受け止める時、手怪我したでしょ?」

「あ、ありがとう…。じゃあお言葉に甘えて。」

きっとこれが最後。もう人を家に連れてくるなんてことない。