「…あの…春のパーティーであなたとお会いしたことがありませんか?」
「わ、私もあの時アレックス様に…」
「じゃああの時逃げてしまったのはロレッタ様…?」
「は、はい…その通りです」
何が何だか分からない私とアレクシスは互いに顔を見合わせて目をぱちくりさせる。
「えーっと…とりあえず説明してもらってもいいかしら?」
私はおずおずと手を挙げてアレックスとロレッタ様に問いただす。
話を聞くと、2人は私のお披露目パーティーの時に出会っていたそう。
ロレッタ様は元々私に興味を持ち、お忍びでオーフェリア帝国に訪れていたそうだ。
そこで偶然アレックスに見つかってしまい、逃げるようにパーティー会場を後にした。
「(そういえばパーティーの後にアレックスは考え事をしていたわね…)」
あの時のことを思い出すと、確かにうわの空だったアレックスが頭によぎる。