「…あの…ロレッタ様はお茶会のような場はお好きではないのですか?」




お手洗い場に行く道中何か会話でもないかと私から話しかけてみる。

すると彼女は話しかけられたことに驚いたのか一瞬ビクリと体を震わせて、その後誤魔化すようににこりと笑みを浮かべた。




「あっいえ…でも大勢でいる場はあまり好きではないです…」




なるほど。
だからあまり話に入ってこなかったんだ。
私もどちらかというと慣れていないせいかああいう場は緊張する。




「皇女様はさすがですね。私より歳下ですのにすごく堂々としていてご立派で…オーフェリア帝国の皇女様はやはり違いますわ」


「そ、そうですか?…でもそんな風に仰っていただけて嬉しいです」




そんな他愛もない話をしながらお手洗い場を後にする。

ロレッタ様は話を振ればしっかり答えてくれる方なのだけれど、自分からはあまり話をしない方のようだ。



あと気になったのは何だか心ここにあらずといった様子なこと。

何か悩みでもあるのかな?

聞き出したいけれど、初対面の私なんかに話すのも気が引けるよなぁ…と思って中々難しい。



そんなことを考えながら歩いていると向こう側から見慣れた2人がこちらに向かってやってきた。