「エヴァンの瞳だって同じよ」
「えっ?」
彼は少し驚いた様子で私を見つめる。
私…何か違うことでも言ったかな?
「いや…昔同じことを言う小さな子に会ったことがあるんだ。その子もシャルロットと同じ金の髪色に青い瞳をしていた。…でもシャルロットな訳ないよな。会ったのは遠い異国だったし…」
何だろう…。
エヴァンの話を聞いて急に心がもやっとしてきて、何とも言えない感情が湧き上がってくる。
「私じゃなくてその子なの…?」
ぽつりと出てきた言葉は自分でも何を言っているのか分からなかった。
まるでもう1人の私がいて、片割れがそう言っているみたい…。
「シャルロット…?」
「その子がいいなら最初から私に婚約者になってなんて言わないでよ…。私はその子の代わりなんかじゃない!」
「何怒ってるんだ?昔の話だ。それも子どもの頃の…」
「重ねてるんでしょう?私とその子を…。…だったら婚約の話はなしにしてもらうわ」
「ちょっと待てって!」
その場にいられなくなった私は去ろうとするけれど、エヴァンに腕を掴まれて強引に振り向かされる。
彼の瞳を見てハッと我に返った私は気まずくなって思わす俯く。