「うわぁ~!おっき~!!!
それにココ、お店に入って初めてこんなにかっこいい人に会ったなぁ~嬉しいなぁ~」


こういう奴は自尊心を満たすために取り合えず褒めまくる。
褒めて褒めて褒めて良い気分にさせる。


顔では笑いながら、心で毒づく。
小さな抵抗だ。



「は?当たり前じゃん。
俺を誰だと思ってんの?」


「西城さん、シャワー……」



そう言いかけたら、男はわたしの腕を片方掴み
ベッドへ押し倒した。


はだけたワイシャツから見える均等の取れた身体。
いかにも鍛えてますって感じの。


「あの……」


「別に女に飢えててデリヘルなんて呼んじゃいねえから」


「はぁ……」


「たまたま店長と知り合いで、暇つぶしってやつ」


「そう、ですか……」


「こんなレベルの低い店の女。
普段なら呼ばないし」


マジでなんや、こいつ。


「あのぉ!!!」


男の体をグイっと押しのけて
自分の体を起こす。


「わたしは、デリヘル嬢で
ここには仕事としてプレイをしに来ています。
ので、時間の無駄なので、無駄話は止めませんか?
さっさとシャワー浴びてもらえませんか?
わたし、シャワー浴びない人とはプレイしないって決めているので」



そうはっきりと言ったら、目の前の男は眉をしかめた。

怖ッ!