「ま、よくある噂だったよねぇ」


と、軽い口調で言う一穂に「そんなことはない」と、一括している。


「どうした幸生。そんなに真剣な顔して」


「充弘、お前今日部活か?」


「え? まぁそうだけど?」


昨日休みだったのだから、今日は練習があるようだ。


「少し遅らせるとか、できないか?」


「はぁ?」


充弘は幸生からの質問に眉を寄せている。


「放課後、噂が本物かどうか確認してみないか?」


「確認って、つまり肝試しってこと?」


一穂の言葉に幸生は頷いた。


あたしと一穂は目を見交わせた。


「それなら放課後より、真夜中に忍び込んだ方がずっと怖いだろ」


充弘が呆れながら言った。


あたしも同感だった。