「あのやるぉう!!!!傷心中のリコに付け入りやがって!!


東京湾に沈めてやる!」


グサっ!


あたしがフォークでショートケーキのイチゴをブスッ!と一刺し。


「ま…まぁ!リコの話を聞こうよ」とエリナがあたしを宥め


当の本人、リコはちょっと顏を赤らめて恥ずかしそうに笑っている。


「で?どーしてそうなったの?」


エリナがあたしの援護射撃……て言うかあんたも結構ストレートに聞くな、と思ったり。


「……どーしてって聞かれても……な……何となく…?」


「てやんでぃ!!


“何となく”であたしのリコに手ぇ出すとはいい度胸だな!」


再びフォークでイチゴをブスリ!としていると


「ちょ、ちょっと落ち着こうよサクラ…」とエリナがあたしを止めに入る。


「で?付き合うの?」


と、またも真剣な表情でエリナがストーレートに聞き、あんた…言動と行動が伴ってないよ、と再び思った。


「……まだ、付き合うとか…」


リコがもじもじと言う。


まだキョウスケに熱烈片思いしてたときの方がマシだったぜ。寄りに寄って学校の札つきのワルが気になってるって!


「花火して……き…キスしたあと……何となくキマヅクなっちゃったんだけど…


でも先輩はすごく気を遣ってくれて、あたしが笑えるようなこといっぱい喋ってくれて、その後…」


リコはまたもポッと頬を染める。




ぅう゛ぅう~~~~!!!!!!!!




またもほら貝の音が聞こえてきて、あたしは攻撃先をキモ金髪に変えた。


あのやるぉおおう!!リコに手ぇ出しやがって!!!


今度こそぶっ殺してやる!!


いかにも弱っちそうだし、頭も弱そうだから、沈めるのに時間は掛からないと思うが。


だがリコの言葉は予想外のもので





「その後ね、手を繋いで帰ったの」





へ――――っ!?


手!?