「だよね!かわいいよね!これ、美里のママが買ってくれたの!」 「美里?美里ちゃんっていうの?」 「そうだよ!倉持美里」 私はしゃがみこみ指で地面に『くら持美里』と書いた。 最近覚えた漢字で、自信満々に書く。 すると男の子もしゃがみこみ、私が書いた横に『夏川史也』と書いた。 私の拙い漢字よりも圧倒的に綺麗な字だった。 「夏川…?なんて読むの?」 「ふみやだよ」 「ふみや?じゃあふみくんだ!」