男の子は靴を片手にこちらを向いて、 「君の?」 と呟いた。 急に話しかけられた上に小さな声だったため、思わずキョトンとしてしまう。 応えない私を見て、男の子はまっすぐ私の元へ来た。 そしてもう一度呟く。 「君の?」 鈴のような可愛らしい声だった。 「え、あっうん」 私は慌てて頷く。