「このやろうっ」 誰に向けてでもなく叫んで、私は思いっきり右足の靴を飛ばした。 小さな水色の靴は空高くポーンと飛んでいく。 上を見上げるが太陽が眩しくてうまく靴を追えない。 空の青さが靴を包み込むようだった。 靴はそのまま地面に落ちてコロコロと転がっていった。 片足で取りに行くのも面倒くさくて、しばらく片足靴下でブランコを漕ぐ。