洗面所に入り、長い髪をとかしながら昨日見た夢を思い出す。 「……ふみくん」 高校2年生、16歳。 鏡の中の私は、当たり前だけどあの頃の私よりずっと大人になった。 背も伸びて声も少しだけ低くなったし、苦手だったピーマンも今では食べられる。 いろんなことが変わったけど、ふみくんを待つ気持ちはずっとずっと変わらない。 とかし終えた髪の毛に赤色のピンをつける。