しかし、保護者?はそこを逃さない。
「なずな…伶士くんを見送りしてくるから、そのまま座っておけ。覚えてろ…」
菩提さんの視線と口調がここ一番で冷たい。
絶対零度、ですか。
その発言に「…あぁ?」と、鈴代なずなは物申したげに睨み付ける。
「何それ。私が何したっつーの。気分悪っ」
「大幅に遅刻した件、電話の一本も入れなかった件、クライアントにちゃんと挨拶しなかった件、言葉遣いが悪い件、クライアントに卑猥な質問をストレートにした件、クライアントのプライベートを悪びれもなく暴露した件、クライアントを怒らせた件、男をあしらうのに時間がかかりすぎている件…」
「………」
「…減俸か綾小路先生のところに通い始めるかどうか検討だ」
「減俸?!…こんなに夜な夜な働かせておいてその仕打ちは何!私、すっごい働いてるよ?!」
「その割には俺名義のカードで買い物しまくっているようだけど?明細確認してるんだぞ?服やら化粧品やら…」
「………」
どんどん俯いてしまった。
菩提さん、柔らかいキャラだと思っていたのに、実はサディスティックなのか。