「だけど、そこは心配しないで。うちの凶悪犯係がボディーガードとして、責任持って君の警護を致します」
すると、鈴代が無言でペコリと頭を下げる。
(………)
この女が…?
俺の身辺警護を…?
だ、大丈夫なんだろうか。
こんなギャルが。
デリカシーのない失礼極まりないギャルが、ボディーガード?
いろんな意味で不安…!
「…イケメンの橘伶士まつ毛くん殿」
鈴代なずなが口を開くが。
俺の呼び方に対してボスにガッツリと指摘を受けたせいか、何とも摩訶不思議な呼び方になっている。
武士か、おまえは。
まつ毛くんはやめろ。
「…伶士でいいですけど」
「あ、はい、そう。…じゃあ、伶士。私はなずなだ」
「………」
知ってる…。
「何かあったらすぐに助けを呼んでくれ」
「え?」
「すぐに駆け付ける」
そう言って、自分のスマホを俺の前に出す。
「連絡先交換」
「あ、あぁ…」
俺も慌ててスマホをポケットから取り出し、互いの連絡先を交換する。
鈴代なずなに…連絡先を教えてしまった。