そう言って、鈴代は菩提さんの耳に顔を近付け、手を当ててゴニョゴニョと話している。
俺に聞こえないように?こそこそ話?
すると、菩提さんの目が見開いた。
「…なるほど。わかった。そこも含めて調べるよ」
「たのんます、ボス」
何だ…何の話?
すると、二人揃って俺の顔を見る。
「…伶士くん。結論から言わせてもらうと…今朝、君を襲った悪霊は、『女の生き霊』と我々は考えます」
「女の…生き霊?」
「君に対してひどく執着している女の生き霊。…すなわち、実際生きている人の怨念なんだよ」
「生きてる人っ…?って、怨念って、俺、誰かに恨まれてる…んですかっ?!」
「そこはわからない。話を聞くところによるとそんな相手もいないみたいだしね。あくまでもこれは推測の段階なので、何とも」
「え…」