ーーー親たち三人が向かったのは、すすきのにあるとある病院。
車から降りて中へと入り、知ってる通路を歩く。
「…いやー。しかし、まさかこんな形で再会するとわね。菩提くんが俺の会社を訪ねてきた時、ビックリした。まさか、優に何かあったんじゃないかと…」
「柊斗さん、ここへは久しぶり?」
「地方行ってる時は全然来れなかった。でも、今は札幌支社に落ち着きそうだから来れるよ。この病院、取引先だし」
「俺は定期的に来てる」
「士朗も忙しいのに、ご苦労様だな社長。しかしねえ…?」
階段を昇りきり、再び廊下へと出る。
「…しかし、まさかなずなが陰陽師として伶士のボディガードをやるなんてな…」
「あの件は終わりだが、ボディガードは陰ながらに続行だ。伶士には言うなよ」
「ははー。親子、だな?」
そして、とある病室の前に辿り着く。
一番隅の個室で。
《音宮優》と、札がかかっていた。
「…優」
そう言って、病室のドアを開けて中に入る。
ベッドには、たくさんのさまざまな管に繋がれた、男性が横たわっていて。
返答は、ない。