そう言って忠晴は、ローテーブルに飲み物を置いてくれる。

グラスに入ったのむヨーグルト。

ストロー刺さってて、ミントの葉が乗っかっている。



「…え?いつもと違う?…作ったの?」

「はい。先日、なずなさんとペンタグラム行った際に、ヨーグルトドリンクを頂いたのですが、それがとても美味しくて。伶士さまにも飲んで戴きたくて咲哉さんにレシピを聞いてきたのですよ」

「忠晴さん、それラッシーって言うから。間違っちゃいないけど」

なずなはいつの間にか俺の隣に座っていた。

ホント、いつの間に…!



「ほほほ。そうですか。ではなずなさんにはこれをどうぞ。ほうじ茶ラテです」

「わぁー!」



歓喜の声と共に、なずなの前には大きめのマグカップに入ったラテが出てくる。

ホットか。

これも手作りか。

忠晴、何でもやるな。



なずなの喜ぶその様子を見ていると、忠晴が「伶士さま」と耳元で囁いてくる。

「何?」と振り返ると、忠晴は右手にあるものを差し出してくる。

それは…ラテアートのスティック?



「へ…?」

「伶士さま。お得意でしょう。なずなさんにラテアート、してあげてください」

「えっ…!」