掌の上に出来上がった大きい光の蓮の華を、そのまま妖怪に向かって踏み込んで投げ付ける。
高速フリスビーのようにブンッと音を立てて、妖怪の体幹に突っ込んでいき、また爆発音を鳴らしていた。
そして、間髪入れず、バカデカい手からヒラリと飛び降りる。
襲いかかる無数の手を俊敏に回避し、時には叩き落として、次々と上手く飛び乗りながら進んでいった。
これは、もう…。
…人間技ではない!
あの身のこなし、スピードにパワー。
全て人間が出せる代物ではない。
特撮ヒーロー?
バトル系アニメのキャラ?
普段も、バトル時は俊敏な動きだが。
今は、それ以上だ。
何か…三倍界王拳?みたいに、身体能力全てパワーアップしてる…?
スーパーパワー…?
そんなヒーローアニメのキャラのようになってしまったなずなを、呆然としながら目で追う。
俺の様子を滑稽に思えたのか、菩提さんは「ははっ」と笑っていた。
「…伶士くん、あの『力』が、なずながうちのエースと言われる由縁だよ?」
「由縁…?」
あの力…スーパーパワーが?