咄嗟に振り返ってしまった俺は、慌てて飛び込んできた者の姿を確認してしまった…が。
(…何っ!)
…それは、本日一番の衝撃。
「なずちゃん、遅かったねー。ボスカンカンだよ?」
「だって、前の仕事押してさー?…あ、咲哉くん、いつものやつ!ほうじ茶ラテとナッツ盛り合わせ!」
「用意するねー」
カウンターで店員さんと言葉を交わしている、その登場したエースの姿を思わず凝視してしまう。
嘘だ。
嘘だろ…!
そこには、数時間前に、正面玄関口でお会いした人がいる…。
背筋がザワザワとしてきた。
バリバリの巻き髪に、バリバリのギャルメイク。
着崩した制服に、ミニスカート。
左耳の大きめの宝石のようなピアスがキラッと輝いていた。
それは、紛れもなく。
うちの高校の有名ギャル。
あの、なずぽよ…鈴代なずな!
まさか、このなずぽよが、陰陽師?!
…何だそれ!
この世の中、何でもアリか!