減俸…世の中社会は厳しい。
…でなくて!
何だか今、ここに来て一番不安だぞ。
同級生が陰陽師?…知ってる人だったらどうしようとか。
っつーことは、散々ひた隠しにしていた、金持ちの息子だという件も学校の生徒一人にバレるというわけで…!
まずい。
まずい。まずい。まずいぞ…!
話を進める前に、そのエースとやらに、俺の身分を口外しないようにしてもらわねば…!
変に心臓がドキドキする。
…しかし、その心臓が爆発寸前になるのは、間もなく。
「…あっ。来ました」
窓を覗いていた店員さんの声に、過剰に反応してしまう。
ビクッと体が震えた。
しかし、そのリアクションをしっかりチェックされている。
「伶士くん、どうしたの?」
「あ、あ、あ…その」
ここはもう、代表である彼に言っておくしかない。
俺が金持ちの息子だってこと、バラさないように言っといてね。なんて…!
「あ、あの菩提さん…」
「…お疲れっ!あーごめんごめん遅れたぁーっ!」
ドアがガバッと乱暴に開いた物音で、更にビクッとしてしまった。
来た…!
…え?
女…の声?