「そうですか…」
どんな人ですか?俺の身を預ける人は。
と、聞きたいところだが。
それは俺が尋ねるまでもなく、菩提さんは自分から答えてくれる。
…しかし、それは。
予想の範囲外の返答で。
「…伶士くんと偶然同じ高校だから良いと思ったんだよ。学校にいる時間も警護出来るからね」
「…え?」
今、何て言った?
俺と…同じ高校?
陰陽師、高校生なの?
「あ、『高校生?不安…』って思ったでしょ?そこも大丈夫だから。うちの事務所のエースだし。退魔専門にやらせてる」
「エース…?」
高校生陰陽師がエース?
何だ何だそれは。
いろんな方面の不安があちこち出てくる。
「まあ…警察でいう、刑事課・凶悪犯係みたいな感じかな?」
「凶悪犯係…?」
「確か、伶士くんと同じ一年生だよ?」
「………」
言葉が出なくなってきた。
俺と同じ高校の一年生が、退魔専門?エース?凶悪犯係?
…どこのどいつ?!
「ホント、遅いですね。…辺り見て来ましょうか?」
話をカウンターで耳にした店員さんも、窓の外を覗いている。
「咲哉いいよ。いつものことだし。あまりにも遅かったら減俸するから」