そんな彼を見ていると、思わず腹にこさえてしまった疑問を口にしてしまう。




「あの…」

「…ん?何?」



柔らかい笑顔を向けられると、言葉の続きを躊躇ってしまうが。

失礼を承知ながらも、やはり聞きたい。



「お言葉ですが…」

「うん」

「…菩提さんは陰陽師、なんですか…?」

「うん、そうだよ?」

「………」



躊躇いもなくあっさりと返答されてしまった。

やはり、この人がお祓いとか何だかするのか。



「…ちょっと信じられないなー?とか思った?」

「え…」



そう言う菩提さんの顔は、優しいながらもちょっとドヤ顔になっている。

失礼なことを言ってしまったなんて、後悔させられ、後ろめたい。



「よく言われるんだ。気にしないで?代表背負ってるからには、俺も現場に出てるバリバリの陰陽師だよ?先日は、ルッショビルディングの調査と地鎮祭と建立の儀を担当させてもらいました」



そのビル…親父の会社が、大がかりに手掛けている市内中心部のビルだ。

本当に本当に陰陽師なのか。この人は。



「すみません…」

「あはは。大丈夫。腕は確かだから、うちの事務所は。心配しないで?」