「そうですか。わかりました。では、お話しさせて頂きます。…伶士くん、いいね?」
「あ、はい…」
何故なのか、菩提さんは俺にも確認を取る。
はいとは返事したけど、何でだろう…。
しかし、この質問が『覚悟はいいか?』という意味だということを知るのだった。
「…先週から起こる、伶士くんが襲われるというこの一連の事件。まず、誰の仕業なのか?…それは、この人です」
そう言って、菩提さんはタブレットを操作した後にこっちに画面を向ける。
「あ…あぁっ!」
思わず声をあげてしまった。
それもそのはず。
その写真の人物は、もろに見覚えのある人で…。
金髪のショートカットの女性。
白肌で、しっかりとしたアイメイクに…ピンクのリップ。
…ピンクのリップ?
遭遇した時はあまり気にしていなかったが。
この明るめの白っぽいピンクの口紅は。
最初の事件の時に、俺の顔やシャツに付けられた口紅の色…?
顔も…そのものだ。
夜中、部屋に突然現れ夜這いをかけてきた女性。
そして…先ほど、学校の敷地を出て間もなく現れた女性。
…その後、みるみるうちに顔が崩れていったが。