「死んで、生き霊から死霊になったワケだけど…喋れるってことは、まだ自我があるワケ?」
え?死んだ…?
いつものように、腕を組んで偉そうに立ちながら、女性に言葉を投げ掛ける。
そう言われた女性は、なずなをキッと睨んだ。
《どケ!…邪魔…するナ!》
「…まだ、妖化が進んでないうちに質問させてもらうよ!…あんたの目的は何?」
《う…うルサい…》
「うるさい?…自分がどうしたいか自分でわからないのか」
ちゃんとした答えが返ってこなかったからか、なずなは怪訝そうな表情を浮かべてため息をついた。
「…じゃあ、質問を変える。あんたをそんな風にしたのは、誰?」
《だ…黙レ…》
「生き霊なのに、妖怪同等の接触を仕掛けてくる。…これは『誰か』の力を借りないと、ただの人間には到底成せることじゃないよ?」
《う…うウウ……》
「そして、死んだ途端に妖化しかけるなんざ、他の『誰か』の仕業としか思えない。…誰?あんたが魂売った、もしくはあんたをそそのかしたのは…誰?」
《…うアぁあァアっ!》
質問に答えられなくて、イライラしてるのか。
それとも、それどころではないのか。
わからない…。