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『…伶士!』

『…あ。おとみやのおじさん!』




…あれは、5歳ぐらいの時だったろうか。



夜、親父や母さんに連れられて、何かのパーティーに参加した時のことだった。



パーティーはスーツだのドレスだの着飾った大人だらけで。

みんなお酒片手にお喋りしていて。

とても、退屈。



でも、走り回ったり遊んじゃいけないって忠晴にきつく言われてる。

ますます退屈。



そんな俺は、母さんの目を盗んでこっそりとその会場を抜け出した。

会場の外にあるソファーに一人座った途端、うとうとと眠たくなる。



するとそこに、一人の女性が現れる。

顔はよく覚えていない。



『…眠たいの?』



そう聞かれて、素直に頷いた。

パーティー退屈だし、つまんない。



すると、その女性は『じゃあ楽しいところ行こうか?』と、誘ってくれる。

退屈に嫌気がさしていた俺は『うん!行く!』と急にワクワクしてしまった。



その女性と手を繋いでパーティー会場のホテルを出る。

女性に促されてタクシーに乗ろうとした時、自分の名前を呼ぶ声が聞こえた。